Aliで顕微鏡用のハイゲンス4種類取得。
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5×:530円、10×:530円、12.5×:578円、16×:627円 で合計2,263円と「激安」の品です。それぞれ望遠鏡に転用した場合の焦点距離は、50㎜、25㎜、20㎜、16㎜に相当します。

これらがまともなハイゲンスであるなら、長焦点アクロマートとの組み合わせで相当シャープな見え味を示すはずなのでそれを確かめるのが今回の企画ですが、値段が値段ですので一抹の不安がよぎります(笑)。

さて、このアイピースは顕微鏡用でバレル外径が23.2㎜。そのままでは望遠鏡のスリーブに入れるとガタガタです。そこで、アルミテープを巻いて24.5㎜相当にしてみました。
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だいたい5重に巻くと24.5㎜スリーブにうまく収まるようです。見た目的にもアイピースっぽくなりました(笑)

Aliの商品ページには「Huygens」とあったのですが、正直当てにならないので、分解して確認します。
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レンズが2枚とスペーサー、レンズ押さえというシンプルな構造です。
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2枚のレンズとも平凸ですね。一応ハイゲンス構造で間違いなさそうです。

さっそくテレパック60-AL、6㎝F15鏡筒に取り付けて地上風景を見てみます。
まずは5×(50㎜相当)18倍で。
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非常にシャープでコントラストもいいですが、とにかく見かけ視界が狭く、18°くらいでしょうか、ルーペアイピース並みの狭さ(笑)。実視界はちょうど1°くらいになる計算。たぶん良く見えているのですが、倍率が低く見かけ視界も狭いのであまりわからないです。

続いて、運用の本命? 10×(25㎜相当)36倍。
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見かけ視界は30°ほどで実視界は約0.8°。視野のほぼ8割にわたって非常にシャープ、ハイゲンスらしいきめの細かい解像度が感じられます! コントラストもまずまず。これは使えるやつや!
最周辺は倍率の色収差が出ますが、これは2枚のレンズのインターバルが最適化されてないっぽいですね。スペーサーを自作すればもう少し追い込めるかもしれません。

続いて、12.5×(20㎜相当)45倍。
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見かけ視界は36°、実視界は約0.8°。これもシャープでコントラストもいいです。実視界0.8°は10×(25㎜)とほとんど同じなので、この辺をどう考えるか。覗きやすさは10×の方が上ですが・・・

16×(16㎜相当)56倍。
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見かけ視界37°、実視界は約0.66°。4つの中ではこれが一番視野全面にわたってフラットで、解像度が優れている気がします(ただし、まつ毛がレンズに接触してもさらに押し付けないと視野全体が見渡せないほどアイポイントが短いです)。いずれにせよ、どのアイピースも長焦点アクロマートにハイゲンスを使った場合のきめ細かい階調と解像度を示しました。

夜に月面を見てみます。10×(25㎜相当)36倍。にて
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これはいい! 相変わらずコリメート画像では伝わらないが(笑)、月の明るい部分に半月過ぎから見え始める「月面キラキラ」も難なくゲット!

10×の他の3つも良く見えました。それぞれの特徴を言うと5×は月の輝度が高くて美しいんだけど倍率が低すぎて情報量が少ない感じ。10×は月面キラキラが一番よく見える、16×は解像度が高くて小さな黒い点のようなクレーターが良く見える、12.5×は10×と16×の中間くらいの見え方ですかね。

4種類全体的に、CZJや五藤光学のハイゲンスと比較すると解像度ではほんのわずかに劣りますが、コントラストは全く遜色ありません。海に張り出した山脈の部分が「かさぶた状」に見える、海の部分の階調が豊か、などなど「長焦点アクロマート+ハイゲンス」ではお約束の像質が得られたことに感動です。シャープな光学系に特有の、ピントが合った瞬間に「ブワッ」と解像度が上がる感じもよく出ています。アイピースの値段を考えるともう大満足の結果です。

かつて望遠鏡セットに付属のアイピースと言えば、主にコストの面からハイゲンスと相場は決まっていたのですが、長焦点アクロマートと組み合わせるならパフォーマンスの面でも最強なので一種の「チート状態」と言えます(笑)・・・しかしよく考えたら、今時長焦点アクロマートの望遠鏡一式とか売ってないですか。むしろ「長焦点アクロマート持ってるんだけど、アイピースがプローセルとかしかないからハイゲンスの見え味体験してみたいな」って人に最適の品と言えるのかも知れません。お試しで一個だけ買うならアイポイントが比較的高くて覗きやすい10×(25㎜相当)あたりがいいかな?

てな感じにいろいろ考えることもできますし

いやー、ハイゲンスって本当にいいものですね!

それではまた、ご一緒に楽しみましょう(笑)。