双眼望遠鏡、って何なんスかね? まあ望遠鏡をふたつ並べて双眼鏡にしたもの、と言えばそれまでだけど、自作するにしても運用するにしても一本と比べると倍以上の手間がかかり、正直言ってカナーリ面倒くさい奴なのです(笑)
なら、双眼装置でいいのではないか? なのですが、双眼装置も両眼視による視認性の向上は認められるのですけど、なんか感動が薄いんですよねー。その辺はビノテクノの服部さんが「ビノブログ」の記事で秀逸に表現されています。

ま、いろいろ面倒くさいのですがそれを超える感動があるのが双眼望遠鏡、というわけです。今回の記事ではDSP2023に集まった双眼望遠鏡を紹介しようと思います。

まずはイチローさんの20㎝F7アクロマート双眼です。
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メガネのマツモト製の巨大な屈折双眼ですが、さすがにこのレベルの機材の稼働は誰にでもできるわけではなく、松本さんから譲渡されたということは、イチローさんがその辺を認められてのことと思います。

20㎝の対物レンズはF7のアクロマート、そのままでは月の輪郭等に色収差が出てしまうので13㎝に絞ってF11で観望されるようですが、これでもやはり色が出るということなので、「アクロマートの色収差がハイゲンスなどのアイピースを使用することで軽減されるかどうか会合」がおこなわれました(笑)
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使用したのは主にNickさん(立派なケースに整然と入ってるやつ)とシベットの(ビニール袋に乱雑に入れてあるやつ)アイピースです。
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結果だけ言うとEliza 10× 顕微鏡用、CZJ P10/18 顕微鏡用、五藤H-25mm、CZJ25-H、オルビィスAH40mmなどのハイゲンス系に予想どおり色収差軽減効果が認められ、加えて高解像度の像が得られるというなかなかの成果。
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詳しい模様はイチローさんご本人の記事でご覧ください。

この記事はDSPのレポートとしてもたいへん読み応えのある内容です。なお、この20㎝F7双眼は地元の観望会等で運用されているようです。

2時間待ちの観望は驚愕ですが、随所に垣間見られるホスピタリティが素晴らしく、松本さんからこの望遠鏡を託された理由がわかる気がしました。
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DSP会場における20㎝F7双眼観望のようす(Nickさんのナイトビジョン2倍モードにてコリメート撮影)

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会場にはその他にもたくさんの双眼望遠鏡がありました

gariさんのSKY ROVER 103 ED APO 双眼(機材紹介用紙撮り忘れました)
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これで地上風景を見てものすごいコントラストに驚きました。奥の双眼装置つきスカイウォッチャーエスプリ100EDもなかなかのもの。同じくgariさんのエボスター50ED双眼も無茶苦茶コンパクト!
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小型双眼望遠鏡の構築にあたってのいろんな工夫がなされていますね!

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ほそさんの異径反射双眼望遠鏡2題。LongWhitey86と
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DeKabuto2016
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これはかなりのイレギュラーというか、見た目だけでは何がどうなってて何の機能があるかわからないので、相当に玄人好みな作品と言えます。たぶん時代がまだほそさんに追い付いていない(笑)。むしろアメリカのスターパーティあたりで大ウケすること間違いなし!

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高野さんのR200SSツイン。
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これの架台はものすごくスムースなフリーストップでした。正直、シベットの知る限りの5本の指に入るレベル! 完成から結構年数がたっているのでその辺の熟成がなされていると拝見いたしました。
実際にM13を見せてもらいましたが、隣にあったすぷーんさんの45㎝によるM13に迫る勢い! あらためて双眼による視認性の向上を思い知りました。

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双眼望遠鏡史上初!? 左右の望遠鏡のオーナーが違うYoshi&KaoriさんのFC100DZ BINOです!
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双眼望遠鏡製作に当たって一本の鏡筒が高価格であると2本そろえるのが大きな負担になるわけですが、このようなシェア方式ならその負担を少し減らすことができます。各自が1本ずつで運用できるのも大きいですね!

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ギルモアさんのSE120双眼。
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EMS式の屈折式双眼望遠鏡が普及している時期には、このようなF5クラスのアクロマートを使用し、DSO観望に的を絞ったものが多かったのですが、昨今ではすっかりアポ双眼に主力の座を譲っています。しかしこの鏡筒は球面収差が良く補正されており、盛大な青ハロは出るものの意外に木星の模様なんかも見えるのですよね。アクロマート派としては運用方法で何とかアポを凌駕してもらいたい感じはしますね。

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114中野さんのED114SS双眼
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114中野さんのハンドルネームの由来ともなったシンボル機材ですね。今回、フリーマーケットに出品され、どなたかに譲られたのだったと思います。

そしてED114に代わる中野さんのメイン機材が確かこのBORG107FL双眼・・・で合ってますかね?
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(機材紹介用紙が見当たりませんでした)
あと中野さんと言えば個体差の大きいPSTの5台から2台を選定し双眼望遠鏡化したPST双眼ですね。
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当日の会場でもシングルスタックながらダブルスタックに迫る太陽面の見え味でした。

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これはビノテクノのEZPを使った双眼望遠鏡。機材紹介用紙が見当たらず、詳細がわかりません。
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EZPのようなプリズムによる正立系は反射面の劣化がなく反射率の低下がないのが大きなアドバンテージですね。スターセンスエクスプローラーも装備されています。

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ヤスさんのSKY90双眼
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15年目とのことですが、アクロマート双眼が主流だった時代、アポ双眼の普及が進み始めたころの先駆けとなった機材のひとつです。今見ても全く古さを感じませんね!

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yagiさんのSOGAN60
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これはもともとシュミットのジャンク市で購入したGS-60S(D60 FL420)を双眼望遠鏡にしたものだったのですが、その後、スコープテックパーツショップで購入したFL480のレンズに換装しF7→F8とすることで色収差がかなり改善されているそうです。正立化には右鏡筒に正立プリズム、左鏡筒に自作EMSを使ったハイブリッド方式となっています。随所に3Dプリンターで出力した部品を使用。

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これは歴史的逸品! たくさんの13㎝双眼です!
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これはもともとビノテクノの服部康男さんが1995年に製作されたもので、日本の双眼望遠鏡としては最初期のものになります。対物レンズはロシア製13cmF5アクロマートで、鏡筒はアルミのL型フレーム、内部の銀色の円筒はボール紙の上に銀色のシートが貼ってあるものだそうです。鏡筒の両側の直径130mmの耳軸を介してアルミフレームのフォーク架台に搭載。 水平回転部はカートンのTA経緯台の水平回転部のみが使われ、上下水平ともフリーストップになっています。

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シベットのMAKSY60双眼
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ローコストで軽量コンパクトな6㎝マクストフカセグレン、MAKSY60を双眼にしたもの。まあ、見たまんまの物ですね。色が派手なのでけっこうウケていた感じはあります(笑)

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そして、最終兵器とも言えるじろーさんのTOA130双眼
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あれ? あれ? あれ?

なんかTOA双眼の画像がないのですが・・・? 撮り忘れ?

じろーさんすいません、なんかひどいオチになってしまいました(笑) いや笑い事じゃない。

というわけで昨年、DSP2022での画像でお茶を濁し・・・
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この他にも、当日会場にあった双眼望遠鏡の掲載漏れがあれば申し訳ありません。

と言うわけで少々の遺恨を残しつつ、続く!