S30、三日目です!
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今日はずっと気になっている「左上の星像が縦に長く伸びてしまう」の検証からです。この星像の伸びがスタック合成によるものなのか光学系由来のものなのかを見ておく必要があったので、1枚画像(スタックしてないスタンバイ状態)で左上の隅、右上の隅、左下の隅、右下の隅をそれぞれ部分拡大してみました。
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やはり左上の隅の星像が左上方向にかなり長く伸びているようです。
右上の星も左上方向に少し伸びています。
左下は逆コマ収差?を伴った感じで左下に少し伸び、
右下はやはり逆コマ収差?を伴って左上に伸びているでしょうか。
これはもうスタック合成とか視野回転が原因ではなく、対物レンズとセンサーの位置関係が合ってないのではないかと思います。

最周辺でありますし、右上、左下、右下くらいなら個人的には許容範囲の星像と言えますが、左上はさすがに悪化し過ぎですね。また最周辺の星像が悪化していたとしても中心に対して点対称な形になっているのでしたら、そういう性能の光学系と納得できるのですが、この状態では必要な組付け精度が出ていない、と考えるしかないと思います。

この点、販売店さんを通じてビクセンさんに情報共有してもらう予定ですが、これまでのZWOの対応ですとこういうクレームには全然取り合ってくれないので、その点今回はビクセンさんが間に入ってくれていて本当に良かったです。さて、この問題、どうなるか・・・?


さて、気を取り直しまして(笑)昨日玉砕したカリフォルニア星雲から行きます。
30秒露出、40枚スタックで20分、左デノイズなし、右あり
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うーん、やっぱりデノイズは不自然かな・・・しかしXのTLに流れてくる天体写真の中にはこういう感じのもあるんですよね。自分でデノイズ機能使ってみて初めて思い当たったのですが、ああそうか、ああいうのって何らかのデノイズ機能使ってるんだな、と。
だから、上の右のような星雲の表現に不自然さを感じてなくてむしろ好ましいと思っている方々もおられるのだと思います。

まあ自然とか不自然とか言っても、もともと天体写真って実際に目で見た眼視のイメージとはかけ離れているので、どうやっても事実と違うわけで、なら各自が好きな表現に持って行ったらいいのでどう処理しようと完全に自由! ではあります。

さて、続きましては対物の先にHa半値幅7nmの干渉フィルターを置いてHa単色光に挑戦・・・
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してみたものの、これは暗すぎてダメですな(笑)。

やっぱりHa単色光はApollo-M MAX並みの高感度モノクロCMOSででもないと厳しいようです。
 
次に、昨日は雲のため途中で中止せざるをえなくなったカリフォルニア星雲のFraming(モザイク撮影)にも再トライ。2倍だと時間かかるから、今回は1.5倍にしときました。
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結局1時間以上パノラマ撮影したけど、最終的には西の光害に飲み込まれてスタックできなくなり完遂できず…思うに30秒露出でやってるからすごい時間かかるわけであってFraming機能使う場合は10秒露出の方が3倍速い?

と言うわけで、10秒露出に変更し、君に薔薇薔薇…と言う感じ、にこっちへ来てみました(笑)。
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左デノイズなし、右あり
10秒だと1.5倍が所要時間30分位でフォローされますね(ただし鏡筒を振っている間がロスタイムになるのでスタックの合計時間は20分程度)。センサー面積的には1/2.8”が1/1.9”ぐらいになる計算でしょうか。ラージフォーマット化で星像も小さくなるし、ノイズもきめ細かくなって目立たなくなるので、いいことづくめですね、時間がかかる以外は(笑)。

M42もFraming1.5倍で。左デノイズなし、右あり
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ここにはランニングマンみたいな反射星雲もあってデュアルナローでその波長成分をブロックしちゃ勿体ないから、あえてのUV/IRにて。輝度差の大きい42の階調を上手く出してくれてるよねー。

本日の最後はしし座トリプレット、10秒露出31分スタックで。左デノイズなし、右あり
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スケールが小さいけれども結構写るもんだなぁ、と。NGC3628の暗黒帯なんかクッキリ出てますしね。

ちなみにSeestarにももちろんアノテーション機能はあって「マーク」アイコンをタップすると天体名が表示されます。
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さて、S30の運用検証はまだまだ続きます!