さて、レモン彗星も沈み、既に第二星空サイトは各望遠鏡にていろいろな天体の観望モードに移っております。
IMG_6756-2
なんと言っても注目はK. Funakoshiさんの ZEISS APQ150/1200。石石石さんなど目の肥えたマニアの方々がこの望遠鏡を見ようと集まってこられてます。それもそのはず、その光学性能は比類なきもののようです。
apq150-1apq150-2
K.Funakoshiのホームページより)
15㎝F8で、BaK2、フローライト、K11 の3枚玉アポクロマート、まさに屈折のトップエンドとも言える逸品ですね。昼間からそのパフォーマンスを垣間見せておりましたが、ついにこれで星を見ることができるわけです。個人的な焦点は持参した15㎝F15アクロマートとの比較です。

実は今回小海星フェスへ参加した目的のひとつに「何らかの15㎝アポ鏡筒と15㎝長焦点アクロマートを対決させる」というのがあり、その意味で「T*A150以上のラスボス来た」(Jさん談)という状況は願ってもない好機といったところ(笑)。

さて、当方の15㎝アクロマート対物は米国 iSTARr-optical製(おそらく製造元は中国)
IMG_6797
なのですが、iSTAR社からこのレンズを入手した神奈川のTUMさんの話では、見え味の面から2回交換を依頼し、3回目で高精度の個体を得られたとの事で、このレンズではありませんが同社のサイトでは高精度な対物レンズの測定結果例も公開されています。

というわけで、自分の15㎝F15アクロマートは「これはいいものだ!」とそこそこ自負しておりますので、その性能を確かめるための試金石として、APQとの対決を自分勝手に設定しました(笑)。

加えて、K. Funakoshiさんから頂いた貴重な資料の数々を今精読中なのですが
IMG_6795
その中にあった、CloudyNightの論文Stranger than Fiction!(短焦点2枚玉アポクロマートと長焦点アクロマートの比較)でも長焦点アクロマートの優位性が語られております。

さて、というわけで輪の細くなって来た土星が観望好機ですので、まず自分の15㎝F15で土星を見てみたところ

・・・シーイング、メチャクチャ悪いっす

あまりの気流の悪さにピントがどこで合うかさえわかりません。正直、100倍以上を使うのは厳しいです。K. Funakoshiさんも「・・・今日はダメですね」と、さすがのZEISS15㎝アポと言えどもお手上げな模様。まあ季節的に気流が悪いのは仕方ないよな、ではありますが、明日は天気悪そうなので今回の小海における「15㎝アポ・アクロ対決」は無理そうですね。

というわけで、盛大に前振りして来ましたが

15㎝短焦点アポクロマートと15㎝長焦点アクロマートの比較は悪シーイングのため空振りに終わりました

というオチで、次の機会に期待することになりました(泣)

とは言うものの、せっかく晴れてはいるのでAPQ150/1200も見せてもらいます。60倍くらいだったかな、M27を見せてもらいさすがのコントラストですね、と思って自分の15㎝でもHM25㎜91倍にてM27を入れてみるものの倍率が違ってて比較しようもよくわからない。いや、かんたろうさんは長焦点アクロマート+ハイゲンスによるM27を「すごく良く見える!」って言ってくれましたっけね。うれしかったです!

今回、小海星フェスへの参加にあたって「わしは15㎝F15アクロマートで惑星一本に絞る!」と潔い(?)コンセプトでその準備しかしてこなかったため、肝心の惑星がダメとなると「惑星スペシャル」の要素が強い15㎝F15は今ひとつ使い道がなく、一点突破型シングルパーパス機材の脆さを味わうことにもなりました(笑)。ここで一首

単機能 尖らせるだけ 性能は 上がれど他の ものは見られず

まあしかし、ユラユラの土星でも視野に入れていると、訪れたギャラリーの方に「土星だ、すごい!」と言ってもらえたりはしましたので、第二観望サイトにこの望遠鏡を置いた意味はそれなりにあったのかも知れません。

小海星フェス、1日目夜の観望はまだまだ続きます!


***おまけ***


今回わたくしは、K. FunakoshiさんのAPQのAPQ150/1200鏡筒に塩ビパイプで作った自作アイピースを取り付けるという暴挙に及びました(笑)。問題のアイピースは”ニセ”ラベンデュラ67㎜です。

これをAPQ150/1200に取り付けると18倍瞳径8.3mmとなり、昇って来た月齢17の月を見ると無茶苦茶まぶしいわけですが、K. FunakoshiさんのAPQには筒先に可変絞り(写真撮るの忘れました)が取り付けられており開口部径を自由に変えられるのですね。これで絞ったり開けたりして、ひょっとして「月面キラキラ(クレーターリムの高輝度スポット)が見えるんじゃないかとやってみましたが、シーイングが悪くてやっぱりダメでした。

しかしZEISSの皆さんもまさかこの渾身の鏡筒に、こんな変なアイピース取りつけられるとは思っても見なかったでしょうな・・・このミスマッチな乱暴狼藉を快くお許しくださったK. Funakoshiさんには感謝の一言です!