と言うわけで、ニュートン式鏡筒による月面キラキラへのエントリーを続けます。次なるは
IMG_E7533
ビクセン・コスモキッズ76㎜F3.7にビクセンのバローTで合成F7.4、これに五藤のHM25㎜で30倍、瞳径2.5mmとなる仕様です。

これのポイントはハイゲンスをアイピースに使ってシステムを安くあげる、というところにあります。月面キラキラの検出にはLavenduraを使えばいいに決まっているのですが価格的に鏡筒本体より高いので、現在でも安価に入手できるハイゲンスを使えれば低コストに可能! という発想です。

もともとハイゲンスは低コストなメリットを生かし(?)安価なニュートン式等の付属アイピースとしてよくセットアップされてましたが、本来はF12以上の対物が想定な上、ニュートンのような中央無収差の光学系ではピントがはっきりと出ず「安かろう悪かろう」という不当な評価の根拠にもなっていました。

で、だいぶ昔の話にはなるのですが、故中村要氏はその著書の中で

>ハイゲンス式を使って見た放物線鏡の像は、収差のないオルソスコピックの如きもので球面鏡の像を見たのと同じ、即ち何のために厳然なる放物線鏡を求めたか訳の分からぬ事になる。
(中略)
極端なる事を申せば、ハイゲンス式を使うなれば、放物線鏡よりもやや過修正された双曲線鏡の方が像がよろしいのであって、自分は明らかに故意に双曲線鏡を作らないが、修正量が正しい放物線を示すいっぱいの放物線鏡を主として目標とし、負修正鏡は避けている。これは、アイピースをハイゲンス式とする場合の事を考慮しているのである。

(以上、中村鏡とクック25cm望遠鏡より引用させていただきました)

と述べておられます。実際ニュートン式にハイゲンスを使うとボケボケの像しか得られないのですが、ひょっとして過修正の主鏡だと収差が相殺されるケースがあるのではないかと思い至りました。

コスモキッズ系の76㎜F3.7の鏡は10種類くらい持っている(笑)のですが、その中にこういうやつがあります。
76mm1
放物面からの波面誤差で言うと1/2.6λ、過修正な傾向を持つ双曲面鏡です。

で、この鏡をコスモキッズの鏡筒に入れ、そのままじゃピントが出ないからバーローで引き出すとともにF値を大きくした状態に五藤HM25㎜を合わせます。で、まずは地上風景で確認

・・・!

これ、全然ダメなやつや(小声)

視野の周辺に行くにしたがって盛大に倍率の色収差、中央はシャープかと言うとそうでもなくいまひとつピントがはっきりしない状態。
まーそうですよね、在り物の双曲面鏡とバーローがあつらえたみたいにピンポイントの相殺値にヒットするわけもなく。まー、ハイゲンス使用条件「F12」も満たしてないしね。当然と言えば当然や(笑)。


***というわけで、次ィ!****


当方所有の76㎜級ニュートンの一角にケンコー・スカイウォーカーSWI-PCというのがありまして
ケンコースカイウォーカー
これ主鏡が球面鏡なんですね。76mmF3.7の球面鏡ともなればもう絶望的に星像が甘いのですが、バーローの凹レンズを組み合わせることによりjones-birid光学系(球面鏡と凹レンズ組み合わせの方カタディオプトリック。TANZUTSU、ミザールCX-150などが該当)が成立し、シャープに見えるのではないかと画策したものです。コスモキッズと同様、ビクセンのバローTで合成F7.4、これにLavendura30㎜で25倍、瞳径3.0mmとなります。

こっちは昇って来た来た月を実際に見ます。
IMG_E7547
うーむ、改めて球面鏡ってこんなにダメだっけ?

まあピントは合うんだけど、なんか細かいところがはっきりしないんですよね。結局、これの球面鏡もコスモキッズの双曲面鏡もしかり、出来合いのレンズがそうそう都合よく目的にフィットするわけねえ! で(笑)

今回は当ブログ名物「安易発想・凡打案件」「しかもゲッツー」をお楽しみいただいたということで(笑)


>これは失敗じゃない、この方法ではうまくいかない、ということがわかったという成功だよ
(トーマス・エジソン)


***小吉な別件***


しかし以前、ビクセンのバローTによりNEWTONYの5㎝F4球面鏡の補正(jones-birid光学系の成立?)にはそこそこ成功しております。

まあ、こういう都合の良いことはめったに起こらない、ということで(笑)