さて、76㎜級ニュートンが2連敗を喫したので、やむを得ず(?)このカテゴリーのエースを出してきました。
RXA100
RXA100、レイメイ藤井の最高傑作と言える(かもしれない)鏡筒です。

この鏡筒のどこが最高かと言うと、何と言っても主鏡の素晴らしさです。
RXA100鏡面
概算で1/11λ、面肌もまあまあ滑らか、この価格帯としては最高クラスと思われる放物面鏡が使われています。センターマークのズレはご愛敬 笑

140倍で恒星を見ますとジフラクションリングが非常に美しく、もちろん惑星観望にも全く問題ありません。ただし、全てのRXA100でこのレベルの精度の保証はなく他の個体がどのような鏡面であるのかは非常に気になるところです。そして、残念ながらこれの後継機であるRXA125では球面鏡(問い合わせての公式回答)だそうなので、ひょっとしたらRXA100にも球面鏡バージョンが存在するかも知れません。中古入手の際はお気を付けください。

さて、とは言うものの当方の手元にある個体はそれなりの品、ビクセンのバローT、Lavendura30㎜(プロトタイプ)19倍、瞳径4.1㎜にて、月齢14.7を。
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何ですか、もう当たり前みたいに月面キラキラが見えます(笑)。先日のNEWスカイステージ改が中央遮蔽57%で斜鏡の影がかなりチラチラしたのに対し、RXA100では遮蔽約40%、それほど影は目立たないですね。
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もちろんラプトル50やMAKSY60と比較してもキラキラの見え方は全く劣りません。口径76mmのRXA100が3つの中では月の像が一番明るく、ラプトル50とMAKSY60は同じくらいの明るさだがラプトルの月がやや黄色っぽい? くらいの違い。
まさに三強並び立つという感じでした(笑)。

ただこの日、月面キラキラの見え方としては3つの鏡筒とも「中くらい」のややおとなしめでした。というのも透明度が今一つで、月の周りにごくうっすらとですが薄雲が感じられる空の状態、月は光量があるので通常の月面観望では全く問題にならない程度の雲でも、キラキラの検出には大きな影響があるということが判明。これはDSO観望で一番淡い部分が見えるかどうかは透明度に依存する、というのに似ている気がします。

(ちなみに当地では2026年の1月1日から2日にかけての透明度が最高で、恐ろしいまでのダイナミックレンジにて月面キラキラが最高レベルで見えていました。さらに夜が明けた2日昼にも空気が澄んでいて日射が強く、通常は2.8~2.9kw/hがMAXの当家のソーラーパネル発電が最高値の3.5kw/hを記録したほど)

あとやはりシーイングですか。キラキラの高輝度スポットは面積が非常に小さいので、気流が悪いとバックグラウンドに溶け込んでしまい見えなくなるような気がします。

結局、月面キラキラを最高の状態で観察するには透明度・シーイングとも良い状態であることが必要で、しかしそれはたぶん1年に数回しか訪れなく、さらに好適な月齢と合致する機会はますます少なく、それが「目を見張るような”月面キラキラ”を体験した人が少ない」という現状につながっているのではないかと考えられます。

ただし「中くらいの月面キラキラ」なら、「解像度とコントラストに優れる比較的小口径の光学系」を使いさえすれば割とコンスタントに観察できるわけで、ますます「月面キラキラ標準機」の設定が急がれるわけですが、その一角にコンパクト・ニュートンも完全に参入した、と言えるでしょうか。

改めてニュートン式の汎用性は物凄いです。

ニュートン式最高!

(数十年来のニュートン信者的バイアスはかかっています 笑)


さて、「月面キラキラ標準機」、現状での候補を有望な順に並べれば

①ラプトルのような小口径・長焦点アクロマート + ハイゲンス

②MAKSY60のような小口径マクカセ + Lavendura

③RXA100のような小口径(短焦点)ニュートン + 良質バーロー + Lavendura


②③はLavenduraに代わる安価な選択肢が発見されてない(唯一匹敵するのはスタインハイル3枚玉ですが自作する必要あり)のでシステム全体のコストがかさみますし、③に至っては肝心のニュートン鏡筒の現行機種に好適なものがない(ひょっとしたら76㎜FL=700㎜の安価な機種がまともな球面鏡でありさえすれば該当するかも? くらい)ので少し苦しいです。

やはり①が最右翼でしょう。何と言っても現代でも安価に入手できるハイゲンス・アイピースで高いパフォーマンスを発揮できるというのは大きなアドバンテージです。鏡筒としても選択肢は多く、ラプトル50、サイトロンのD50、D50L、接眼部が堅牢でアクセサリー取り付けの自由度が高いMOEBIUS 55あたりも面白いんじゃないかと思います。また50㎜F12の中古ならいろんな怪しいブランドの有象無象がありますので、オークション等で激安に入手して最高の見え味を構築するのも楽しいかも。

ただし、ローコスト望遠鏡はたまにこういうケースがありますので、気ィつけなはれや!(笑)