ビクセン・ダイナスコープ、D=50㎜、fl=630㎜です。


これは小海にて入手したものですが、対物が単レンズのため天体観望には全く不適な、いわゆる「買ってはいけない系望遠鏡」です(笑)。当方情弱なためビクセンブランドにそのようなカテゴリーが存在するとは知らず、無謀にも「月面キラキラ」に使う用途で取得しましたがその顛末は以下の通り(笑)
「買ってはいけない系」は色々なブランドで売られているのですが、絶滅しないところを見るとそれなりに収益の上がる分野であるのでしょう。ビクセンのような望遠鏡国内最大手としても手放しがたい採算部門の一角なのかも知れません。
ま、こういった望遠鏡の是非はともかく、当方の手元にはダイナスコープの現物があり、これが実用性のない死蔵品のままですと何だか勝ち逃げを許した気がして悔しいので、自己正当化のために少しあがいてみます(笑)。
そんなある日、中国から小さな箱が届きました。


そうです。単レンズの対物をアクロマートレンズに換装してしまおうという、身もふたもない作戦(笑)。


買ったのはこれ
購入当時、送料無料の1,499円の激安価格、ダイナスコープ本体は2,000円で購入しましたから意地でもそれより安い対物を、というコンセプトでこれを求めました。4面ともおそらくノンコート、分離式で真鍮(?)製の薄い円板のスペーサーがついてます。
そしてこのような合わせマーク入れてくれてるのですが


左と右どちらの向き正解なのかわからんわけですよ(結論から言うと左で鏡筒に入れてみるとボケボケ、右だとシャープだったので右が正解と判明)。

さらにこのレンズは外径∮51.6㎜、ダイナスコープのレンズセル内径は約54㎜なのでそのままじゃセルの中でレンズが動いてカタカタなるから3Dプリンターでスペーサー(左上のやつ)を作りピッタリに納めました。
そして、このままでは対物レンズの焦点距離(600㎜)に対して鏡筒(630㎜想定)が長すぎるので諸々考えた上で39㎜ほどの短縮を決定。


紙を巻いて39㎜のとこを中心に三本線を引き外側の線と内側の線を見ながらノコギリで切りますが、ここの工作精度が対物のスケアリングを左右するのでかなり慎重に行きます。


うん、いい感じかな。対物レンズを入れて光軸修正アイピースでスケアリングを確かめます。

最初左のような感じでしたが、レンズセルを鏡筒に取り付けるビス穴の遊びを利用して微調整。


完ぺきではありませんが、右の状態で固定できました。しかし、ここで問題発生、120倍で電柱の碍子に反射した太陽でエアリーディスク&ジフラクションリングを見たところ、光軸は合っているにもかかわらず、ちょうど大気差のように赤と紫に上下の色ずれが発生してしまいました。しかもレンズセル全体を回転させるとそれに伴って色ずれ方向も回転します。
・・・ひょっとして、これは芯ズレってやつ?
レンズセル内のアタリとかセンタリングとかいろいろ検討・考察すること2日、最終的に下の画像の状態で色ずれを解消。

そうです、2枚のレンズの回転位置調整を強いられております。片方のレンズを少し回転してはエアリーディスクを確かめ、回転しては確かめ、の試行錯誤で最適の位置を探しました。結局・・・
合わせマークの位置が嘘だった
というオチで(笑)。どういう了見でこういう「偽」合わせマークを入れてあるのかが謎ですが、何とかレンズ本来の性能を発揮できる状態に持って行きました。一応、近所の鉄塔でのビフォーアフター


上が単レンズ、下が換装したアクロマートレンズによるもの。いやそんな言わなくても一目瞭然か(笑)。
満を持してラプトル50とともにK型経緯台に同架します。

ラプトル50はペンタプリズム、ダイナスコープ改は24.5㎜天頂プリズムにそれぞれCZJ25-Hで24倍、瞳径2.1㎜、これで月齢20の月を見ます。


月の輪郭がギザギザになるほどシーイングが悪い状態ですが、これはあれですね
当たり前のように月面キラキラが見える
やつですね(笑)。もちろんラプトル50とのサイドバイサイドでもほとんど遜色なく、しいてあげれば本当にごくごくわずかにコントラスト劣るかも? くらいでしょうか。
とりあえず、結論としては
ビクセン・ダイナスコープの逆襲は成ったな!
この性能なら、ラプトルがもう一本手に入るまでの「ラプトル双眼望遠鏡プロトタイプ」の相方としては必要十分以上のパフォーマンスであり、企画としては、めでたし、めでたしな結末、ということで!
***別件***
サイトロンのD50やD50Lの対物レンズは分離式ではなく貼り合わせ式を採用しているそうですが(ブラックパンダさんによる実質「公式」な回答)、50㎜F12(F16)という小口径・長焦点では分離式と貼り合わせ式の設計値上の性能差もごくわずかと思われますので、組付けに伴う手間の増加や、ヒューマンエラーによる芯ずれ等のリスクを考えた場合、貼り合わせ式の採用は現実的で的確な判断と思います(何だか上からな言い方で申し訳ありません)。今回、レンズのファインチューニングに相当手間がかかりましたので、それがリアルに実感できました。


これは小海にて入手したものですが、対物が単レンズのため天体観望には全く不適な、いわゆる「買ってはいけない系望遠鏡」です(笑)。当方情弱なためビクセンブランドにそのようなカテゴリーが存在するとは知らず、無謀にも「月面キラキラ」に使う用途で取得しましたがその顛末は以下の通り(笑)
「買ってはいけない系」は色々なブランドで売られているのですが、絶滅しないところを見るとそれなりに収益の上がる分野であるのでしょう。ビクセンのような望遠鏡国内最大手としても手放しがたい採算部門の一角なのかも知れません。
ま、こういった望遠鏡の是非はともかく、当方の手元にはダイナスコープの現物があり、これが実用性のない死蔵品のままですと何だか勝ち逃げを許した気がして悔しいので、自己正当化のために少しあがいてみます(笑)。
そんなある日、中国から小さな箱が届きました。


そうです。単レンズの対物をアクロマートレンズに換装してしまおうという、身もふたもない作戦(笑)。


買ったのはこれ
購入当時、送料無料の1,499円の激安価格、ダイナスコープ本体は2,000円で購入しましたから意地でもそれより安い対物を、というコンセプトでこれを求めました。4面ともおそらくノンコート、分離式で真鍮(?)製の薄い円板のスペーサーがついてます。
そしてこのような合わせマーク入れてくれてるのですが


左と右どちらの向き正解なのかわからんわけですよ(結論から言うと左で鏡筒に入れてみるとボケボケ、右だとシャープだったので右が正解と判明)。

さらにこのレンズは外径∮51.6㎜、ダイナスコープのレンズセル内径は約54㎜なのでそのままじゃセルの中でレンズが動いてカタカタなるから3Dプリンターでスペーサー(左上のやつ)を作りピッタリに納めました。
そして、このままでは対物レンズの焦点距離(600㎜)に対して鏡筒(630㎜想定)が長すぎるので諸々考えた上で39㎜ほどの短縮を決定。


紙を巻いて39㎜のとこを中心に三本線を引き外側の線と内側の線を見ながらノコギリで切りますが、ここの工作精度が対物のスケアリングを左右するのでかなり慎重に行きます。


うん、いい感じかな。対物レンズを入れて光軸修正アイピースでスケアリングを確かめます。

最初左のような感じでしたが、レンズセルを鏡筒に取り付けるビス穴の遊びを利用して微調整。


完ぺきではありませんが、右の状態で固定できました。しかし、ここで問題発生、120倍で電柱の碍子に反射した太陽でエアリーディスク&ジフラクションリングを見たところ、光軸は合っているにもかかわらず、ちょうど大気差のように赤と紫に上下の色ずれが発生してしまいました。しかもレンズセル全体を回転させるとそれに伴って色ずれ方向も回転します。
・・・ひょっとして、これは芯ズレってやつ?
レンズセル内のアタリとかセンタリングとかいろいろ検討・考察すること2日、最終的に下の画像の状態で色ずれを解消。

そうです、2枚のレンズの回転位置調整を強いられております。片方のレンズを少し回転してはエアリーディスクを確かめ、回転しては確かめ、の試行錯誤で最適の位置を探しました。結局・・・
合わせマークの位置が嘘だった
というオチで(笑)。どういう了見でこういう「偽」合わせマークを入れてあるのかが謎ですが、何とかレンズ本来の性能を発揮できる状態に持って行きました。一応、近所の鉄塔でのビフォーアフター


上が単レンズ、下が換装したアクロマートレンズによるもの。いやそんな言わなくても一目瞭然か(笑)。
満を持してラプトル50とともにK型経緯台に同架します。

ラプトル50はペンタプリズム、ダイナスコープ改は24.5㎜天頂プリズムにそれぞれCZJ25-Hで24倍、瞳径2.1㎜、これで月齢20の月を見ます。


月の輪郭がギザギザになるほどシーイングが悪い状態ですが、これはあれですね
当たり前のように月面キラキラが見える
やつですね(笑)。もちろんラプトル50とのサイドバイサイドでもほとんど遜色なく、しいてあげれば本当にごくごくわずかにコントラスト劣るかも? くらいでしょうか。
とりあえず、結論としては
ビクセン・ダイナスコープの逆襲は成ったな!
この性能なら、ラプトルがもう一本手に入るまでの「ラプトル双眼望遠鏡プロトタイプ」の相方としては必要十分以上のパフォーマンスであり、企画としては、めでたし、めでたしな結末、ということで!
***別件***
サイトロンのD50やD50Lの対物レンズは分離式ではなく貼り合わせ式を採用しているそうですが(ブラックパンダさんによる実質「公式」な回答)、50㎜F12(F16)という小口径・長焦点では分離式と貼り合わせ式の設計値上の性能差もごくわずかと思われますので、組付けに伴う手間の増加や、ヒューマンエラーによる芯ずれ等のリスクを考えた場合、貼り合わせ式の採用は現実的で的確な判断と思います(何だか上からな言い方で申し訳ありません)。今回、レンズのファインチューニングに相当手間がかかりましたので、それがリアルに実感できました。
コメント
コメント一覧 (4)
対物レンズの軸心合わせまでやってしまうとは・・
でも、そのかいあって、性能向上が著しい。
もはやダイナスコープは跡形もないかもしれませんが、こういうのも楽しみのひとつ、ですよね。
お見事です。
uwakinabokura
が
しました
思わず ノコギリで切って
レンズ入れてこんなにも見栄えが変わることに
うわッと声が出ました。
とても嬉しくなった 読み物でした。
uwakinabokura
が
しました
uwakinabokura
が
しました