さて、Samさんが機材撤収されてしばらくたつとまた晴れ間が広がってきました。ニックさんはすでにナイトビジョンの1倍・3倍システムを会場内に展開していたのですが、自分もせっかく機材を持ってきているので近くに設置させてもらうことにしました。
今回、8cmF1.8(SD-80にレデユ―サー) + SP赤道儀 + Revolution Imager R2 + パソコン、というシンプルな機材での参加です。今までスターパーティには50cmとか小さくても30cmは持ってきていたので、荷物が非常に多くなって大変だったのですが、今回はシンプルで非常に楽です。今後はこれかな・・・・
RIをSharpCapで取り込むのは2回目になります。やっぱりまだわからないことが多く、M31を導入していろいろ試行錯誤をしていると、なんといったん中座しておられたSamさんが再登場! おそらくニックさんのナイトビジョンを見に来られたのだと思いますが、ここで思いもかけずSharpCapの操作方法を直伝していただくという、願ってもない展開に。
自分のShrapCap操作は、試行錯誤的にいじってダメだったら戻して、を延々とくりかえすという、素人丸出しのやりかただったので、壁に行き当たることが多かったのですが、さすが、Samさんの課題解決能力はすごく、おそらくRI+SharpCapでの作業が初めてであるにもかかわらす、「こうなったか、じゃこれはこう」「いや、こうだな」と圧倒的な引出しから神速の検索で、RIでは今まで見たこともないようなM31のすがたがあぶりだされていきます。
これはすごい、やはりRIのCCDカメラはかなり高感度なのですね。
(「ShrapCap Pro Trial」と表示されているのは有料版の機能であるstretchやライブスタックのヒストグラム上でのカラーバランス調整をおこなったからです。製品版の使用料は1年10ポンドとのことなので素直に支払おうと思ってますが、まだ支払い方法を把握してません 笑)
ちなみに以前、自宅にてのSharpCap運用初日に、自力で何とか処理していたM31がこんな感じでした。
ただし、注意点としては、RIのCCDカメラ本体にはコントラストや色相調整、6枚までのスタックといったベーシックな画像処理機能が内蔵されており、これをSharpCapにつないだ場合それらが「余計な仕事」をしてしまいSharpCapでそれをキャンセルする必要があるという2度手間が生じてしまうので、RIのCCDカメラは極力標準的な画像信号にもどしてやるほうがいいようです(ほぼSamさんの考察)。
ともあれ、この組み合わせに一定のめどがついたので、あとは自力で何とかするとして、Samさんにお礼を言いい、ニックさんのナイトビジョン観望を堪能してもらうこととしました。
オリオンも登ってきていたので、画像処理の初心者用教材として最適と思われるM42を導入。
中心部はやっぱり飛んでしまいますが、色がかなり鮮やかに出て、M43の青とM42の赤の対比が美しいですね。天体写真でやるみたいに露出時間の違う画像を合成して、中心部の階調を表現する、みたいなことも、おそらく将来的には電視観望でもできるようになるのでしょう。これができるかどうかは、ほぼ処理ソフトの機能に依存するわけですが、天体では「M42限定機能」みたいなことになるので、開発はされないかな?
ちなみに、輝星のまわりに青くハロが取り囲んでいますが、これは薄雲がかかってきたのと、夜露がすごくて対物レンズが曇ってきたことによります。
次に馬頭星雲を検出しようと思ったのですが、あぶり出せず。燃える木がわずかに出たのみ。空を見ると全体的にだいぶ雲が濃くなってきたようです・・・・というか、標高1400mの会場が雲の中に入った、という感じ。
M45もこのような見え方。
薄曇りと対物レンズ結露によるソフトフォーカス効果で、星像が膨らんで鮮やかな青色を示しています。一般ギャラリーの方には「すごい星が大きい!」って感動してもらえるかもしれません。散開星団なんかはあえてディフュージョンフィルターを入れたほうが、星の色が飛びにくくてカラフルに見てもらえるかもしれませんね。アルビレオとかにもよさそう。
でも、カメラを外して31.7mmねじ込みフィルターでモタモタやってたら、ギャラリーを待たせてしまうことになるので、電視観望では、
UV/IRカットフィルター(銀河・反射星雲用)
QUAD BPフィルター(HⅡ領域、惑星状星雲、超新星残骸用)
ディフュージョンフィルター(散開星団用)
の3つくらいをフィルターターレットで切り替えられるようにすればいいでしょうか。
フィルターワークが命ともいえるニックさんのナイトビジョンにはすでにこの機構が取り入れられていますね(ナイトビジョンでは半値幅の違うHαや、カットオフ周波数の違う赤外フィルターの組み合わせ)。
電視観望の人口もこれからかなり多くなってくると想定されますので、今後、運用上の素晴らしいアイディアが全国同時多発的に誕生してくると思われます。非常に楽しみな状況になってまいりました!
小海レポート、まだまだ続きます!
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