当ブログ、永遠のテーマとも言うべき、プアマンズ・シリーズ、今回はASTRO LPR TYPE Ⅰ 光害カットフィルターです。
このように、水銀灯など光害の原因となる輝線を避けた周波数特性となっています。同じ光害カットフィルターである、SVBONY CLSと違うのは赤外域をカットしていることで、これにより屈折系対物での「赤外域ピンボケ」を起こさないであろう点でシャープな星像が期待できます。さらに、青の部分の周波数も通すので、星の色がデュアル・ナローバンドみたいに「赤か青緑の二択」にならず、豊かな色再現をするのではないか、と考えました。
前回同様、「スーパータクマー105mmF2.8+ASI294MC+AZ-GTi経緯台+SharpCap」による電視観望での検証です。
結果は・・・・
(ここで気づいたのですが、前回の記事で、「Hα3.5nmは露出時間がかかる」って、いかにも欠点みたいに言ってしまいましたが、正確には「露出をかけてもバックグラウンドが飽和しないため、HⅡ領域にさらにコントラストがつけられる」という優れた性能を表すものでした。Hα3.5nm君には申し訳ないことをしました 笑)。
で、LPRですが、星の色はそれなりに表現されているようですし。HⅡ領域の出方もまあまあですね。しかし変色周辺減光があります。さらに赤外ピンボケのないシャープな星像を期待したのですが、微光星まで膨らんでいる、というのが画質低下の大きな要因になっているように思います。というわけで、今回も甘い話はありませんでした(笑)。
さて、ここで、デュアル・ナローバンドの標準的な見え方と比較するためにZWO Duo-Bandフィルターにスイッチ。
以前同じ105mmF2.8のデュアル・ナローバンドで撮ったときは・・・・
うーん、何で・・・?
あ、ひょっとしたら、前の時はフィルターをレンズの筒先(平行光)に置いたのだけど、今回はアダプター内に内蔵して収束光の部分に置いたため、フィルターの平行平面ガラスが収差(球面収差?)を発生させているのかも知れません。しかし、今までも8cm屈折を対物に使う時などもアダプター内にフィルターを置いてたのですが、星像の悪化は感じませんでした。まあ、F4程度の明るさだったので影響が小さかっただけでしょうか。これが、F2.8という明るいカメラレンズの使用で一気に問題化した可能性もあります。
また、フィルターをアダプターに内蔵する場合も、ASI294MC付属のドーナツ状金具で31.7mmフィルターをセンサー直前に置くのと、48mmフィルターをCANON EOS用のEFマウントアダプタ内に置くのとでは、後者の方がセンサーからフィルターがかなり離れることになるので、影響が大きくなると思います。ちなみに今回の実験ではフィルター位置は後者でした。
どうやら、フィルターを置く位置によっての星像の大きさの違いを検証してみる必要が出てきたようです。実験できる環境が揃い次第、取り組んでみようと思います!
コメント
コメント一覧 (8)
実験は着々と進んでいますね。
光路中のフィルターの影響についてですが、懸念されている通り
確かにあると思います。
ただ、この影響もフィルム用レンズとデジタル用レンズで違いがあり、
フィルムの場合は光がまっすぐ入ろうと、ある程度斜めに入ろうと問題なく
感光してくれるのに対し、センサーの場合は斜めに入った光がいろいろ
悪さをしたり効率が落ちたりするために、真面目に作られているデジタル用
レンズはテレセントリック的な設計で、できるだけ光がセンサーに対して
垂直に入るように設計されているらしいです。
プアマンズ〜には反しますが、デジタル用レンズの場合は違った結果に
なるかもしれませんよ?
そうではない可能性もありますので、可能ならどなたかにレンズを借りて
試されてはいかがでしょうか?
uwakinabokura
がしました
テレセントリックの説明になってしまうのですが、主光線(対物レンズの中心を通った光線)がセンサーに対して直角に近く入るということで、多分F値によって変化する収束円錐(?)は同じで被写界深度は変わらないと思います。
uwakinabokura
がしました