SVBONY CLS光害カットフィルター、1.25インチです。

これは、光害の輝線をブロックして天体のコントラストを上げる「光害カットフィルター」なのですが、前回記事のASTRO LPRなどが赤外域をブロックするのとは違って赤外域を透過することが大きな特徴となっています。
このフィルターの使用の電視観望は赤外域を利用することができるのですが、屈折系の対物で使うと赤外域の色収差までは補正されてないので
で、今回は、反射系の対物で使うことで赤外域のピンボケを防ぎます。
「SP140SS+クローズアップレンズNo4(合成fl=437mm、合成F3.1 仕様)+ ASI294MC + AZ-GTi経緯台+SharpCap」による電視観望での検証になります。当日、月はなく、限界等級は3等見えるか見えないかくらいの条件です。
このシステムで、赤外も含んだ広い帯域のスペクトルを発している小宇宙(銀河)を狙います。通常のデュアル・ナローバンドでは今一つ光を拾いきれない小宇宙の腕の表現が赤外域成分のパワーアシストにより少しでも向上すれば、というプランです。
まずは、本題の小宇宙(銀河)に行く前に、HⅡ領域で小手調べです。




・・・・悪くない! 決して悪くないぞ! バックグラウンドのカブリによる周辺減光が出ているし、もちろん、コントラスト・細かい解像度などはデユアル・ナローバンドには劣りますが、7割方くらいまでは追従している感じです!
さて、本題の小宇宙はどう出る?
NGC2903(中央拡大)
続いて、しし座トリプレット8秒露出(中央拡大)
8秒露出シリーズ、中央拡大でどんどん行きます。
M51
M63

M81.82

ふくろう星雲とサーフボード銀河
M101

M104

M106
M109
NGC4565
少なくとも小宇宙に関しては、SVBONY CLSフィルターの方がデュアル・ナローバンドより適正があると言い切っていいのではないでしょうか。
さらに、おまけの球状星団M3
もうちょっと小さめのM53もこの通り。

さらに散開星団
そして、今回うれしい誤算とでもいうべきはM35
これらの結果を総合すると、CMOSカメラと反射系対物を使った電視観望における、SVBONY CLSフィルターは、各種の天体に対して最強の汎用性を示す、と結論付けてもよいのではないでしょうか? 上の画像はいずれも中央拡大したものですので、特に小宇宙を狙う限りはASI294MCのような広いセンサー面積は必要なく、販売価格3万円程度の224MCでも十分であるともいえます(導入の問題はありますが)。
欠点としては、バックグラウンドのカブリもそこそこ拾うので、天体の強調処理によって周辺減光が目立ってしまうことがあげられます。特に今回使用した140SSではその傾向が強かったです。
うーん、こうなったら、周辺光量100%の反射系鏡筒を製作するしかないか?
一応、構想はあるのですが・・・・
コメント
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uwakinabokura
が
しました