先日の電視観望用のフィルターを比較する企画で、小宇宙(系外銀河)部門にて堂々の第一位に輝いた、「SVBONY CLS」フィルターで春の小宇宙(系外銀河)を探訪してみました。
「SP140SS+クローズアップレンズNo4(合成fl=437mm、合成F3.1 仕様)+ ASI294MC + AZ-GTi経緯台+SharpCap」での検証になります。
厳密にはわずかに劣るような気がしますが、条件が悪い時は露出時間を延ばすことでそこそこカバーできそうな手ごたえがありました。すごい短絡的な計算ですが、肉眼での限界等級が1等劣る→露出時間を2.512倍にする! とか(笑)
さて、今日の自宅ベランダは月はないものの、透明度が少し悪く何とか2等星+αぐらいが見える条件です。先日の検証(3等星+αが見える条件)では4秒露出だったのですが、肉眼での限界等級を鑑みて、8秒露出に統一し、電視観望をおこなってみました。
まず、先日の検証対象でもありました、NGC2903 8秒露出
厳密にはわずかに劣るような気がしますが、条件が悪い時は露出時間を延ばすことでそこそこカバーできそうな手ごたえがありました。すごい短絡的な計算ですが、肉眼での限界等級が1等劣る→露出時間を2.512倍にする! とか(笑)
さて、そういう雑な法則はともかく、8秒露出、スタック枚数は成り行きでいろいろ見ていきます(いずれもASI294MCのフル視野ではなく、天体の視直径に応じて適当に中央拡大してあります)。
かみのけ座の「ニードル・ギャラクシー」NGC4565
これ、「紡錘状銀河」って言ってましたけど、「紡錘」自体のなじみがないので、「ニードル」のほうがしっくりきます。
そう言えば、以前、綿を栽培して綿花を取り、それから糸をつむごうとして紡錘みたいなものを作りましたが、ボコボコの糸しかつむげず、その先に予定していた、作った糸で小さな布を織る→栽培していた藍や紅花で染める→おしゃれなハンカチ完成、という遠大なプロジェクト(笑)が序盤で撃沈された苦い思い出があります。
すいません、話がそれました。
「ソンブレロ銀河」M104
「マルカリアンの鎖」付近
「子持ち銀河」M51
「ボーデの銀河」M81,82
「回転花火銀河」M101
これは淡いので、何とか腕を表現しようと思って、一生懸命画像処理を試行錯誤していたら、知らん間に151スタックもしていました。8秒×151≒20分ぐらいやっていた計算になります。ま、今日は「時短」は考えずに行きます(笑)。これももう少しでHⅡ領域が表現できそうな気がするのですが・・・・
「黒眼銀河」M64
「ひまわり銀河」M63
ちなみに、このM63と64の画像では星が少し上下に伸びてしまいました。これは突然、AZ-GTiあるいはSynScanのアライメントが狂って、追尾はしているけど微妙に方向がズレてくるときの症状です。8秒の露出の間にズレた分、星像が長くなるのですね。対象天体の画質にも影響していると思います。ライブスタックで星の伸びた状態で合成してくれるので、すぐには気づきませんでした。
ここで、いったん鏡筒を北に向けてアライメントのやり直し。
続くM106では星を点状に戻せました。
そして、超新星の出現で有名なM100と、NGC4312
というわけで、今日の小宇宙探訪はこんなところ。
「おまけ」でその合間に、「SVBONY CLS」の球状星団におけるパフォーマンスを検証するために見た3つを(いずれも8秒露出)。
M13
時間帯的にはω星団(当地では南のひらけているところなら楽勝で見える)も見えているのですが、ベランダ観望では建物の影になっていて捉えることができませんでした。春に暖くなって野外に機材を持ちだしたときの楽しみに取っておこうと思います。
そして、「おまけのおまけ」。昇ってきたばかりのM57、27、北アメリカを。
というわけで、久々の休日前夜、午前5時前までやってしまいましたが、いろいろな対象を見られて充実感がありました。「SVBONY CLS」は今回のように小宇宙や球状星団に対象を絞った条件では最強ですね。これで、3980円(31.7mm)なのですから、本当にコストパフォーマンスの高いフィルターだと思います。
ちなみに、電視観望による小宇宙巡りでは天文リフレクションズさんが、C8ノーフィルター、30秒露出、8枚スタックの画像を提供されています。今回の記事の約5倍の焦点距離で、素晴らしい解像度ですね。これは無光害地での撮影なのでしょうか。
ミードの10㎝シュミカセがあるのですが、これと「SVBONY CLS」で、せめて天リフさんの半分くらいの画質に到達できるでしょうか?
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uwakinabokura
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