電視観望でHⅡ領域を見るためのフィルターは、通常はデュアル・ナローバンド、もしくはちょっとマニアックにHα干渉フィルターで決まりですが、小宇宙(銀河)や球状星団・反射星雲等の「連続スペクトルもの」となるとちょっと話が違ってきて、広い帯域をどのようにつかまえるか、が大きなテーマになってきます。
もちろん、光害のない暗い空では、ノーフィルターが一番よいのですが、光害地の自宅でも運用可能、というのが電視観望最大のメリットですので、実際には「できるだけ光害をカットし、なおかつ極力広い帯域を利用できるフィルター」を使うことになります。
そういう意味で、現在のところ小宇宙の描写に最強なのが
①「SvBONY CLS フィルター」です。

これはそこそこ広いバンドを通しながらも光害のもとになる水銀灯などの輝線をカットするものです。さらに、このフィルターは赤外域を透過するので、この部分が小宇宙の描写を助けるのではないか、と個人的には考えています。
30㎝F5による作例↓

次に、今回新たに試すのは
②「SvBONY UHC フィルター」
この特性が、吉と出るか、凶と出るか。
さらに
③ミザールμフィルター
この特性も、どう転ぶのでしょう。
で、いつもの
④サイトロンQBPフィルター

これは、デュアル・ナローバンドの中では最も帯域が広く、小宇宙の写りも良い(ただしそれなりの長時間露光が必要)というフィルターです。CLSの4倍程度の露出がかかりますが、HⅡ領域が見やすくなり彩度が上がるので描写上のメリットがあります。
14㎝F3.2による作例↓

このフィルターを通して赤外線リモコンを使ってみたところ作動したので、950~1000nm付近を通しているのではないか? と考えています。この付近はCMOSカメラの感度も低く(ただしゼロではない)、影響は小さいと思われるのですが、ひょっとしたら「隠し味」程度の+αになっているかも知れません。まあその辺の理屈はともかく、実際によく写ります。少なくとも小宇宙においては、ZWOやSTCのデュアル・ナローバンドと比べて一線を確する描写力を持っているのは確かです。
さて、これまでのところ、電視観望に使うフィルターについては、
①は最も短い露出時間で小宇宙を写し出せる。
④は①の4倍程度の露出時間をかけさえすれば、同じ程度に写り、①よりもHⅡ領域が見やすくなる
ということがわかっています。後は②、③が①と④の間をどのように埋めていくか、あるいはそれ以上のパフォーマンスを示すのか? というのが非常に興味のある点です。
とにかく、電視のパフォーマンスはいかに対象とバックグラウンドのコントラストをつけられるかにかかっているので、これにフィルターの周波数特性の「何がどう作用するか」は実際にやってみないとわからず、実践が重要な分野と言えます。
晴れ次第、①~④のフィルターで比較実験を敢行する予定!
なお、今回使用するUHCフィルターとμフィルターについてはLambdaさんからお借りしているものです。この場を借りてお礼を申し上げます。
(”ラムダ”さんから”ミュー”フィルターを借りる・・・すいません我慢できなくて)


コメント
コメント一覧 (4)
エルの次がエムということで、μフィルターですね。
こちらのμフィルターは後期型で、透過率が高くなったバージョンのようです。
こうしてみると、SvBONY UHCとCLSの間くらいでしょうか?
uwakinabokura
が
しました
憶測でしかないのですが、500nm前後のOIII,Hβのバンド幅が光害地での写りを左右しているように思っています。幅が広いほど光害に弱い(そのため幅が狭いQBPがベターで、全く通さない642BPがさらに光害に強い)
ちなみに、先日のM61の超新星を撮影した画像をこちらに載せました。
https://www.astroarts.co.jp/photo-gallery/photo/62315
uwakinabokura
が
しました