NEWTONY5cmF4鏡筒は最低限のバックフォーカスで非常に効率の良い設計になっているのですが、反面、短焦点のアイピースや電視観望用のCMOSカメラを使おうとするとピントが来ないという問題がありました。
そこで、今回はバックフォーカスの延長のための改造をおこないます。
バックフォーカスを延長するためには、鏡筒を切断して詰めるなどの方法もありますが、今回は主鏡の下に板を配して斜鏡方向に近づける、いわゆる「下駄はかせ方式」で行きます。
まず、主鏡セルをはずします。
裏側のツマミが「引きネジ」になっていて。これを回すことで主鏡のスケアリングを行うことができます。バネで突っ張っているので押しネジが必要なく、調整が非常にスピーディです。鏡の自重が軽い小口径には最適の方法と言えますね。
鏡筒に取り付けるとこんな感じ。
さてこのまま斜鏡がノーマルの20mmでも中央光束はケラれないのですが、イメージサークルがノーマルの2.6°に対し1.3°(焦点面で∮4.5mm)と非常に小さくなるので、その確保と中央遮蔽増加による球面収差減少を期待して、斜鏡を径の大きいものに換装します。
(眼視専用なら斜鏡の大径化は必要ないかも知れません)
斜鏡も両面テープで止められているのですぐ外すことができます。
今回は20mm→25mmでやってみます。これによりイメージサークルは3.5°となり、焦点面で∮12.2mmとなる予定。これはセンサーが、5.6x3.2mmであるSV305には十分以上ですし、19.1x13.0mmのASI294MCでもそれなりにカバーできる値と言えます。
さて、新しい斜鏡はもとのものより1mmほどガラスが厚いので、そのままでは位置が狂ってしまいます。元の斜鏡が1mm厚くらいの両面テープでついていたので、両面テープではなくボンドで直接斜鏡ホルダーに貼り付けてガラスの厚みの差を吸収しました。もちろん偏心取り付け。
中央遮蔽による光量損失を考えると、口径45mm相当の集光力となりますね。
さっそく、アイピースをつけて地上風景を見ます。ノーマルではピントが来なかった、谷Or4mmも楽勝。
さらに、この望遠鏡の最重要使途として位置づけていた、SV305での電視観望はどうか?
ついでにR850フィルターをつけての赤外。
ちなみに、SV305でノーフィルターの時のピント位置はこんな感じ。
以上のように、NEWTONY”ワイルドなニュートン野郎”の汎用性が大幅に増強されました。もう何でも来いですが、特に電視観望をやるのが楽しみです!
今回の改造は自己責任で臨むなら推奨、ということでよろしいかと思います。
・・・ただし、作業は結構面倒くさく、自分は丸一日かかりました(笑)。
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uwakinabokura
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