さて、今回は球面鏡を使用した安価なニュートン反射を光学シミュレーションしてみます。
まずは定番中の定番、10㎝F10球面鏡です。
10cmF10球面 中心7.5μm
素晴らしいですね! 中心星像7.5μm、F10の理想値が14.3μm以下ですから、余裕でクリア。非常にシャープな像を結ぶと思われます。このスペックなら放物面鏡は必要ないと言い切って良いでしょう。実際タカハシの100mmI型とか球面でした。もっともミザールH-100型は放物面鏡とうたってましたっけ。実際どうだったのかな? 自分が持っているビクセン・クエーサーというのも10㎝F10球面です(これは現在ではF.O.製の放物面鏡に換装してますが)。
ビクセン クエーサー10cmF10
さて、現行品で結構多いのが、114mmF8というスペック。
球面11.4cmF8 中心14μm
中心14μm。F8の理想値が11.5mm以下なのでまずまずと言ったところ。このスペックは実際に覗くと良く見えます。特に依然所有していた、ミードDS115は本当に良く見えました。
もっともこの望遠鏡の主鏡のナイフエッジ画像↓
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をF.O.のT代表に見ていただいたところ「この右のほうがちょっと影になっているでしょ? こうなってると良く見えるんですよ」とのことでしたので厳密な球面とは言えないかもしれません。

さて、同じ114mmでももっと鏡筒の短いF4.4(fl=500mm)ともなるとかなり厳しいです。
球面D114F4.4 中心45μm
中心45μm。F4.4の理想値が6.3μm以下なのでさすがにこれは全然ダメですね。実際にボケボケでピント位置がつかめません。自分の持っている望遠鏡ではケンコー・コスモウイング500Rがこのスペックです。
コスモウイング500R
しかし、このコスモウイングの野郎、34mmの斜鏡で口径が約100mmに絞られるという、巧妙な(?)設計で、実質10㎝F5の球面鏡になっていて、シミュレーションするとこうなります。
球面D114F4.4 斜鏡34mm絞り 中心30μmD=100mm
中心30μm。F5の理想値7.2μm以下の4倍の値ですが、上の45μmと比べるとかなりマシで、まあ低倍率なら何とか、という感じには見られました。もちろん高倍率は不可(笑)。

最近のコンパクト望遠鏡では76mmF3.7というスペックもメジャーですね。
球面D76F3.7 中心42μm
これも中心42μm。F3.7の理想値5.3μm以下の約8倍。全然見えません。このスペックの球面鏡には個人的に随分泣かされたものです(笑)。代表はケンコーSW-PC(白鏡筒)ケンコー・ニュースカイステージ(黒鏡筒)です(青鏡筒のレイメイRXA100は放物面鏡)。
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特にスカイステージの方はその後接眼部の換装等、大改造され、1/14相当の放物面鏡を搭載、これにより惑星を高倍率で見ることもできる仕様になっています。
まあ、このスペックではビクセンのコスモキッズや同等品のインフィニティ、レイメイのRXA100(噂では球面鏡のもある?)といった放物面鏡仕様もありますが、現行品では放物面はないんだったかな?
さて、同じ口径76mmでもfl=700mmのF9.2仕様になりますと・・・
球面D70F9.2 中心7μm
F9.2の理想値13.2μm以下を大きく下回る中心7μm! 10㎝F10に比肩する完璧な性能と言えます。
このスペックは「POWER TELESCOPE」というのを持っています。
POWER TELESCOPE
仕上げ方によっては素晴らしく良く見える面白い望遠鏡になるはずですが、鏡筒が長くてコンパクトでないので、そこまで手が回らず9年ぐらい放置されています(笑)。

さて、いかがでしょう。球面鏡を使用した安価なニュートン式望遠鏡、非常に個性的な面々ではありませんか!? この状況を一言で表すなら、


です。ほんともう、ニュートン式最高!

さて、NEWTONY&MAKSYから少し話がそれましたが、次回更新はいよいよ、MAKSYのマクストフレンズを流用したマクストフ・ニュートンの可能性について! です。乞うご期待!