光害地の自宅ベランダ、限界等級2等? くらいの条件で、ナイトビジョン直焦点システム14㎝F3.1による観望を行っております!
まずは、650nmロングパスフィルターで「Hα+赤外」観望。M4とアンタレス付近。
こんなかんじにザラザラになって、ナイトビジョンの実際の画面とはまったく異なってしまうので、眼視で見たイメージに近づけるため、コンポジットしたものです。以下、すべての画像で8~16枚のコンポジットをおこなっていますが、比較的背景がザラッとしてるのは8枚程度、滑らかなのは16枚程度ですが、眼視のイメージは16枚ぐらいになります(8枚しか撮ってないのちょっと失敗したなと思います)。
そのまま、650nmロングパスフィルターで、M17、M8
ここで、Hα干渉フィルター7nmにして、M17
HⅡ領域はかなり表現されてきますが、星の数は激減します(また、星像がボテッとしてますが、これはコンポジットのやり方がまずいからで、実際の眼視ではかなりシャープな星像が見られます)。
しかし、自分は「HⅡ領域命」なので(笑)Hαフィルターのままいきます。
Sadr付近。
これら、たぶん光害のないところだともっとはっきり見えるのですが、限界2等の光害地ではこの程度の見え方になってしまうでしょうか。しかし、逆に言えば光害地でこれだけ見えるだけでも、ナイトビジョンHα観望のパフォーマンスが分かるかも知れないですね。
ちなみに、電視観望でこの日の条件ですと、上の画像よりはるかに暗いところまで「あぶり出せ」ます。たとえば北アメリカだと、これぐらいまではいけますね。
(光学系は同じく14cmf3.1、サイトロンQBPフィルター、ASI294MC、SharpCapによる画像処理とライブスタック 電視観望による夏のHⅡ領域はこちらにて)
モニター画面での見栄えを重視すると、一般ギャラリーにはナイトビジョンより電視観望のほうがインパクトが強いかもしれませんね。もし、ナイトビジョンの画面を電視観望で取り込む「EAAダブルスタック(?)」をやれれば数秒で数百枚のスタックが得られる「神速電視観望」の可能性はあります。
しかし、ナイトビジョンの最大のメリットはそういう七面倒くさいシステムを吹っ飛ばすような、リアルタイム性と臨場感にあります! 実際にナイトビジョンを覗き込んでの楽しみは、モニター画面のどんな派手な画像も敵わないですね!
というわけで、リアルタイムでどんどん行きます!
網状星雲
光害地でこれらの天体を見ようとすると、まず普通の手段では厳しいですね。網状星雲あたりは50cmの口径+OⅢフィルターの眼視で見えないこともなかったですが、赤いHⅡ領域は絶対に無理ですし。
今回、一番感動したのが、NGC7293です。
これは自動導入で視野に入って来たとたん、「おおっ」と声が出てしまうほどでした。リング状の構造が非常に良く分かり、見応え十分でしたね。(ちなみに、導入の時、星が視野内を流れて行くのを見られる楽しみがあるのもナイトビジョンの醍醐味)
さて、Hαフィルターで見られるメジャーどころを巡ったところで、690nmロングパスフィルターにチェンジ。「赤外観望」にて連続スペクトル物を見てみます。
M45
M31
M33
というわけで、Hα観望についてはそれなり、赤外観望についてはやや期待外れの結果に終わりました。光害地ではこんなところでしょうかね。以前、空の暗いところでナイトビジョンを試したときはさすがに強烈なパフォーマンスを示しましたので、ナイトビジョンが真価を発揮するのは、やはり暗い空のもと、ということになるでしょうか。
やはり、今回の直焦点ナイトビジョンシステムも暗い空の元で検証する必要がありそうです。次の週末にはその機会に恵まれるといいのですが・・・・
***おまけ(9/15追記)***
iPhoneのカメラでM31を「タタタタ!」って連写していた時に、偶然の偶然、流星が視野内を流れました! その奇跡の場面をアニメーションGIFにしてみました。画面でノイズがチラチラするのが実際にナイトビジョンを見た感じに近いです!
コメント
コメント一覧 (2)
で、最近は惑星の観望が主体で電視観望はほとんどやっていませんでしたが、FC100での電視観望がようやっとできました。fl800mmという焦点距離でAZMPで追尾してくれるかと心配していましたが、なかなか楽しめました。ノーフィルターでM8はあまりはっきりと出ませんでしたが、M17はいきなりデデン!と白鳥の姿が写り、思わずおお!と声を上げました。露出を短くするために今までビニングを2でやっていましたが、ここに来てSharpcapのビニングが2になるとモノクロになってしまうという怪現象に悩まされています。Samさんに相談したら海外で報告があったとのことで、ビニングは1の方が画質が良くなるからそのままで、というアドバイスをいただきました(ここら辺、実は話が長くなりますが割愛します)。夏も終わりで済んだ秋の空になりつつありますので、狭い空ながら自宅ベランダから楽しもうと思っています。
uwakinabokura
がしました