ナイトビジョン、前回は14㎝F3.1直焦点でしたが、今回はアフォーカル・システム「縮小光学系」です。

「縮小光学系」とはどういう状態かと言うと、アイピースを望遠鏡に取り付け瞳径15mmくらいの超低倍率にし、それをナイトビジョンでのぞく、という方法です、ナイトビジョンの対物は開口部が21mmくらいあるので、瞳径21mmまでの低倍率に対応でき、通常の眼視のように有効最低倍率が人間の瞳径約7mmの制限を受けません。そのため相当に明るくすることができるのです。


このアイピース、さらにナイトビジョンのユニットを3種類の口径の望遠鏡に取り付けてみました。
それぞれ、こんな感じになります。

ミザールBN-80 改 8cmF5屈折(6倍、瞳径13mm)
IMG_8459
GINJI150FN 15㎝F4反射(9倍、瞳径17mm)
IMG_8308
自作30㎝F5反射(22倍、瞳径13mm)
IMG_8848
屈折だとそうでもないのですが、反射だとかなりオーバーハングしますので、ちょっと不安定になる上、取りまわし上少し不便です。

小手調べにHαフィルター半値幅7nm使用にて、8cm6倍でハート&ソウル星雲。
ハート8cm
(眼視のイメージに近づけるため16枚コンポジットしています)
あ、これは先日の14㎝F3.1直焦点よりだいぶ見やすいですね。やっぱり直焦点より縮小光学系で明るくした方がHⅡ領域の視認性は良くなるようです。

ここから、各口径ともいろいろな天体を見て行ったのですが、コンポジットの手間が大変でやり切れない(後日少しずつアップしていこうかなと思います)ので、取りあえず3種類の口径での変化を見るために共通して見たカリフォルニア星雲のを載せます(Hα7nm使用、全部の画像が16枚程度のコンポジット)。

8cm、6倍
カリ8cm
15cm、9倍
カリ15㎝
30㎝、22倍
カリ30㎝
まあ、どれも良く見えていると思うのですが、こうやって比較すると、やっぱり大口径で構造が見え始めてくるのは魅力ですね。ちなみに30㎝ではカリフォルニア星雲は視野の3倍くらいあるので、望遠鏡をフリーストップで振りながら全体を眺め回すことになりましたが、これが意外と楽しかったです。

30㎝での馬頭星雲と燃える木(Hα7nm使用)
ba3
なかなか見えない馬頭星雲ですが、ナイトビジョンを使うと楽勝です。

あと、赤外で小宇宙(銀河)の方もと思って、690nmロングパスフィルターを使い、M31。
M31 30㎝
暗黒帯が2重に見えて来ていますね。しかし、この程度なら眼視のほうがいいかな・・・?

以上、結局、ナイトビジョンでもやっぱり大口径の方がいい、という結論になったような(笑)
また別画像も載せて行きます!