StarSense Explorer LT70 です。時代はこれだよね!
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StarSense Explorerとは、スマートフォンが星の位置を捉えて、導入支援をおこなう、いわゆる「PUSH TO」方式です。

StarSense Explorerは現在のところ単独販売はされてなく、今後も見込みはなさそうなので、入手するには望遠鏡セットとして買うしかありません。その際、最小口径である7㎝F10 屈折のLT70が最も安価な選択肢となります(実売価格26,800円程度)。

かつての仮面ライダースナックがカード欲しさに食べもしないお菓子を買って廃棄する「ライダースナック投棄事件」という社会問題になったように、これも、導入支援装置欲しさに使いもしない望遠鏡を買う、という現象が起こっています・・・というか自分が起こしました(笑)
しかし、さすがに一回も見ないのは望遠鏡に対して失礼なので、一応地上の風景を見てみることにしました。

組み上げるとこうなります。
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望遠鏡の佇まいとしては悪くないですね。むしろカッコいい部類と言えるかもしれません。

これが核心とも言えるStarSense Explorerスマートフォンドック。
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iPhone5Sを取り付けるとこうなります(5Sはアプリはインストールできたものの動作可能かは現時点では不明 メーカーではiPhone6以上を使用することなっています)。
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ミラーから反射した星の光をスマートフォンのカメラでとらえる仕組みですね。

付属品は、正立プリズム、10mm、25mmのアイピース、2倍バーローなど。
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正立プリズムというのがうれしいですね。丸っちいデザインも未来的でカッコいいです。この辺はセンスいいんだよなあ・・・
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StarSense Explorerの他にもドットファインダーが付いていて、これだけでも望遠鏡として成立するようになっています。

架台は上下微動棒に水平は微動なしのクランプのみ。
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剛性は見た目通りのフニャフニャした操作感(笑)。しかし、こういう架台の操作セオリー「バックラッシュを読み切り、いったん導入したら触らない」を駆使すれば最低限の実用性はあり。この辺はレイメイの望遠鏡などと同じランクですね。「揺らさなければどうということはない・・・」

対物レンズは、モノコート? なのかな? 色は着いてない感じです。
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近所の電柱を拡大して見ますと・・・
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おおう! これは黄色と青の色収差が出る「伝統的アクロマート」や! ということはQBPフィルターをつけると・・・
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ほらほらほらほら・・・ちょっとカラーバランス変になったけど色収差なくなったよ! 面白いなあ!
(よく見たら同じとこ撮ってなかったけど・・・)

まあ、これは別にいいですね(笑)。7cmF10としては普通によく見える望遠鏡だと思います。


というわけで、大方の興味は、望遠鏡付属のStarSense Explorerが他の望遠鏡に取り付けられるか、ということになると思いますので、

LT70の鏡筒からStarSense Explorerのスマートフォンドックを外します。
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さらに鏡筒についていた部分とステー部分を分解。
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ステー部分に合板を介して小型のアリ型を取り付けると・・・・
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汎用のアリ溝に取り付くので
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このように、わたくしの30㎝ドブソニアンにも搭載することができるわけです!
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標準アリ型とファインダーアリ型のアダプターを持っていますので、例えば今オレンジ色のファインダーがある位置に取り付けることもできますし、ファインダー金具のある望遠鏡なら何にでも取り付く汎用性が得られました(こういうアダプタを販売店等が製作してくれたら非常に便利だと思うのですが、営利目的だとセレストロンに訴訟を起こされる可能性もありますかね)。

さて、さっそく導入を試したいところなのですが、今日は曇っているのでまたの機会に、となりました。残念!

ドブソニアンへのStarSense Explorerの取り付けについては、すでにワントリック師匠が取り組まれていますね!(NINJA400での使用)

さて、ここでStarSense Explorerについて非常に重要なことを言います。

望遠鏡に付属している「ロック解除コード」をStarSense Explorerのアプリに入力することでアクティベートして使うことが出来ますが、これの回数が5回まで、となっています。問題は

スマートフォンの調子が悪いなどでアプリをアンインストールし、再インストールしたような場合も一回にカウントされる。

もちろん、スマートフォンが壊れたりしても同様と思われます。これでは人によっては5回をあっという間に使いきってしまうこともあるのではないでしょうか? そんな殺生な、と思いましたが、これがビクセンに問い合わせた公式回答なので仕方がありません。

もし様々なトラブルでカウントを使い切ってしまった後に、さらにスマートフォンが不調をきたしたりすると、StarSense Explorer自体が無用の長物になってしまうわけです。そうなるとビクセンに泣きつくしかないわけですが、親玉がアメリカ企業なので、どのような対応になるか非常に不安です。

あと、今回の記事で書いたような、別の望遠鏡への搭載を記事で公表することは個人の範疇ならばOKとのことでした。今後、こういう運用は増えてきそうですね。そうなると、「ライダースナック廃棄事件」的な要素も増えてきそうなのですが・・・

というわけで、StarSense Explorerを取り外して、単なる「7㎝F10屈折経緯台」となった新同品のLT70が不要となっております。もし必要な方がおられたら5,000円(送料別)で販売したいと思うのですが、希望の方はおられますでしょうか・・・いないか、そんな人(笑)。一応週末の双天会フリーマーケットに出してみようかな?

(LT70本体、縁あってある方にお譲りいたしました!)