今日もQHY5III485Cで電視観望。
ミザールBN-80改+クローズアップレンズNo4、8センチ合成F4,1(fl=330mm)アクロマート鏡筒に、ZWO DUO-BANDフィルター、AZ-GTi経緯台、SharpCapによる画像処理です。
普段はQBPフィルターを使うのですが、屈折の場合赤外域iを通過するQBPでは赤外ピンボケが発生するため、赤外域を通さないZWO DUO-BANDフィルターを使用。
GainはHighGainで0~100のうち40に設定しています。
M42
8秒露出 Gain40 60stack
M42の画像でもそうですが、薄曇って来たようで輝星に強烈なフレアが出ています。赤い星雲もあんまりコントラスト上げられなかったですね。
馬頭とフレイム・ネビュラ
16秒露出 Gain40 50stack
M42の画像でもそうですが、薄曇って来たようで輝星に強烈なフレアが出ています。赤い星雲もあんまりコントラスト上げられなかったですね。
ばら星雲
32秒露出 Gain40 20stack
二重星団
8秒露出 Gain40 20stack
M45に向けて見るも、既に空が天然のディフュージョン・フィルター状態(笑)。
この日はここで終了いたしました。
QHY5III485C、さすが830万画素だけあって、M42のような輝度の高い対象では、ASI294MC(1171万画素)に迫るラージフォーマット的な画質があるのですが、294に比べると感度は大分低くて、とにかく時間がかかる印象です。自分で使ってる分には時間がかかってもいいのですが、観望会でギャラリーに次々と対象を見てもらいたいような時には困りますね。
まあ、ピクセルサイズが294の4.6μmに対し、QHY5III485Cは2.9μmですから、感度が低いのは仕方ない面もありますね(ピクセルサイズが大きいほど高感度になるそうです)。 SV305やASI462MCのピクセルサイズも2.9μmですが、QHY5III485Cはこれらと同じくらいの感度に感じられました。
QHY5III485Cは2×2ビニングができるので、これをおこなって5.8μmの高感度センサーが誕生や! と試してみたのですが、画質が荒くなった割に高感度になったとは思えず、逆に淡い星雲が出なくなった? って感じになった上に、色の彩度もなくなってほぼ白黒状態になるなど、さんざんの結果でした(まあ、これはやり方が悪いだけかもしれないですけど)。
まあ、QHY5III485Cは、 SV305やASI462MCの4倍のセンサー面積を持っており、同じ焦点距離の光学系で使った場合はその画角の広さは圧倒的です。1/1.2インチ(11.3x7.1mm)ですので、330mmの焦点距離ですと、画角が2.0×1.2°となり、Az-Gtiの自動導入でも何とか視野のどこかには対象がひっかかってくれ、ストレスなく導入ができます。
電視観望にエントリーした人が、価格の安い(センサー面積の狭い)CMOSカメラで始める時、おそらくもっとも苦労するのが画角の狭さによる導入の困難さだと思われますので、そういう意味では、QHY5III485Cの価格とセンサー面積の広さは「初心者向き」と言えるかも知れません。感度の低さは、極力Fの明るい光学系と組み合わせる、露出時間やスタック枚数を増やす、等の使いこなしでカバーすることで、かなりの画質が得られる発展性もありますので、難度の高い天体に徐々にステップアップしていく醍醐味もあるかもしれません。
しかし、QHY5III485Cはコストパフォーマンスの面ではおそらく最強ですが、絶対的な性能においては、感度・画角・画素数全ての面で、ASI294MCにかなわないのも事実です(まあ、価格も倍近く違いますので比較自体がナンセンスと言えばそうですが)。同じ画質なら294の方が短い時間で「楽」に手に入れることができます。したがって、「お手軽時短電視観望に最適のCMOSカメラはASI294MCである」という現状は変わらないでしょうか。
ASI294MC最高!・・・・えっ、違う?(笑)
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