今回のQHY5III485C電視観望は、7.6㎝F3.7ケンコー・Newスカイステージ改を笠井の31.7mmアイピースレデューサーで合成fl=204mmとし、筒先で70㎜に絞ったF2.9仕様にて。
IMG_2089
AZ-GTiによる自動導入・追尾で、SharpCapによる画像処理をおこなっています。すべて、サイトロンQBPフィルターを使い、Gain40で統一しています。

まずは、M31 16秒露出、20スタック
m31 16s 15stack gain40
あまり露出をかけてないので周辺部を描写するには至っていません。

続いてM45 32秒露出 30スタック

m45 30stack 32s gain40
露出時間をかけると、青い反射星雲も少し出てくれました。これなら、ギリギリ実用レベルには達してきたと言えます。

M42中心部の「飛び」は我慢して、ランニングマン狙いで行くとこんな感じでしょうか。
16秒露出 60スタック
m42 16s gain40 30stack

ばら星雲 32秒露出  20スタック
bara 32s gain40 21stack
グロビュールも出てきました

馬頭もこれぐらいの描写までは何とか 16秒露出 100スタック
batou 16s gain40 100stack
ここで問題発覚。一番最初のM31からM45まではだいぶ時間が空いているのですが、この間に気温が下がって鏡筒が収縮? M45以降少しピントが甘くなっていたようです(後で気づきました)。
これが天体写真ならその機会損失は大変なことですが、一期一会の電視観望なので「ああ、そんなこともあったね」で無理やり終わります(笑)。

さて、気を取りなおして、再度ピントを合わせます。以降は、まずまずの結像。視野の4スミはさすがに少し崩れますが、ほぼQHY5III485Cのセンサー全面にわたって、微光星の直径10μm程度のシャープネスを発揮しています。

ここからは小宇宙(銀河)シリーズ

NGC2903(中央拡大) 8秒露出 60スタック
2903 8s gain40 60stack
QBPは少し赤外域を通すので、デュアル・ナローバンドの中では、もっとも小宇宙(銀河)に適したフィルターと言えます。fl=204㎜でこれなら及第点。

ししのトリプレット(中央拡大)
8秒露出 72スタック
m66 hoka 72stack gain40 8s
このように小宇宙も3つあるとそこそこ見栄えがします。

ふくろうとサーフボード
8秒露出 50スタック
hukurou 8s 50stack gain40
ふくろうの青緑が、鮮やかです。連続スペクトルの小宇宙&輝線の惑星状星雲。たぶん、このカップリングを撮影するのがQBPのメリットを最も発揮できるのではないかと思います。

M104ソンブレロ(中央拡大)
8秒露出 50スタック
m104 8s gain40 50stack
やっぱりこういうのはもう少し長い焦点距離で拡大しないと、ですね。

NGC4565 ニードル・ギャラクシー(中央拡大)も同様
16秒露出 32スタック
4565 16s gain40 32stack
こういう視直径の小さな天体ではfl=204mmの焦点距離では少し厳しかったですね。今回はこの辺にして、次回は400㎜位の焦点距離で、小宇宙(銀河)をもう少し拡大してみようと思います。

とは言うものの、QHY5III485Cのセンサー面積とfl=204mmの組み合わせは、非常に使いやすい画角を提供してくれます。特にそれなりの視直径を持つHⅡ領域には最適ですね。

というわけで、次回記事では、ASI462MC+fl=434mm(中央拡大) QHY5III485C+fl=204mm(広角) でのダブルCMOSシステムにより隙のない運用を模索していきます。乞うご期待!