ACUTERブランドの5cmF4ニュートン、NEWTONYですが、
IMG_2276

(当方のNEWTONYは主鏡光軸修正機構を追加しています)
球面鏡が採用されているので、高倍率のシャープネスは今一つ(ただしバーロー追加でJONES-BIRD光学系にするとかなりシャープになる)なのですが、それを逆手に取って、レンズレス・シュミットとすることができます。

NEWTONYを使ったレンズレス・シュミットについて”ATM界の火の玉ボーイ”M87JETさんがすでに成果をあげておられますね!

このような外観↓
 Img_5247
(M87JETさんのブログより勝手に転載)
エクステンド鏡筒に、チップスター→プリングルスの筒を利用されていてとてもカッコいいのです!

さて、5cmF4の球面鏡ですが、主鏡の球心位置(焦点距離の倍の位置)に4cmの筒先絞りをつけた4cmF5シュミット・ニュートンを光学シミュレーションしたスポットダイヤグラムはこうなります。

中心星像12μmは電視観望用としてはまずまず、ただし、1.5°設定(1/1.2”センサーのfl=200mmでの画角3.2×2.0°を想定)の周辺では20μmくらいになりますね。
12μ 20μ
中心を少し「内ピン」のデフォーカスで星像を平均化すると、
16μ zenmen
全面約16μmになりますね! 1/1.2”程度のセンサー面積では像面湾曲はほとんど影響なさそうで、これは十分実用性があると言えます!

しかし、周辺を3°(つまりfl=200mmで画角6°の4/3”センサーあたりを想定)すると
12μ 50μ
像面湾曲の影響で一挙に周辺が50μmまで肥大、さらに筒先絞りにより周辺光量も60%くらいになってしまいます。

そこで、焦点面であるセンサー3mm手前に(CMOSカメラではこれが可能)、フィールドフラットナ―として直径25mm、R=400mm(fl=774mmに相当)の平凸レンズを置くと
IMG_2273IMG_2274
(画像はイメージです)
wire flame
なんと、6°の全面にわたって12μmの「全面ピンポイント」が実現!(ただし、周辺光量は増えません。ちなみに主鏡を∮80mmにすれば100%の周辺光量が実現)
12μ zenmen
これはもう、どこに出しても恥ずかしくないスペックです!

問題は、D=25mm、fl=774mm(F31)という平凸レンズが既製品ではなかなか見当たらないことですね。(ありました。追記参照)
ケンコー・クローズアップレンズMCのNo1(fl=1000mm)やNo2(fl=500mm)で代用できないかシミュレーションしてみましたが今一つでした(ぜいぜい∮6°の全面20μmどまり)。

というわけで結論!

1 NEWTONYを使ったレンズレス・シュミットではセンサー面積が1/1.2”なら平坦化レンズなしでも充分実用になる

2 センサー面積が4/3”ぐらいになると平坦化レンズが必要だが、相当の性能を保証。ただしレンズの入手先は知らん(笑)

ということになりました!

NEWTONYをお持ちで小型のCMOSカメラをお使いの方々にはそれなりの朗報になったと自負しております! NEWTONYオーナーの皆さまは、今すぐチップスターorプリングルス購入の途に!


追記

シグマ SLB-25.4-700P (D=25.4mm Fl= 700mm)がほぼ適合するようです!
12μ zenmen シグマ SLB-25.4-700P
最周辺が少し流れますが、∮6°の全面12μmが実用上得られていると言っていいでしょう!
価格も2,600円と現実的です! 不安材料は、「在庫:問い合わせ」の部分のみ!

さあ、皆さん、いかがです?